乳酸菌がアレルギーを改善するってホント?
ゼンダマ博士!
なんじゃね、ミサト。
実は、我が家の2才になる娘がどうもアトピーみたいなんです。
なるべく薬を使いたくないと思って、これまで何もしてこなかったんですが、乳酸菌でアレルギーが改善する、という話を最近よく耳にするので気になっています。
そうじゃな。アトピーなどのアレルギーの患者は年々増えており、今や3人に1人がなんらかのアレルギー症状をもっていると言われておる。
乳酸菌がアレルギー改善に良い影響を与えることは、さまざまな研究結果からみても間違いないじゃろう。
なるほど~。乳酸菌を摂取すればうちの娘も治りますかね。
そりゃ、根気よく継続していけば、必ず治る!いや、治ると信じて取り組むんじゃ!
よし、今日はアレルギーの原因やしくみ、またアレルギー改善効果が確認されている乳酸菌や、その乳酸菌を含む食品やサプリなどをご紹介していくとしよう!
アレルギーとは
我々の身体には、ウイルスや異物などが侵入してきたときにそれを排除してくれる「免疫システム」が備わっておる。過去に侵入してきた外敵を記憶しておき、再び同じ敵が入ってきたときに、すぐに排除しようと働いてくれるんじゃ。
この排除する時に現れる症状が、くしゃみや鼻水、目の痒みであれば花粉症。肌の痒みであればアトピー。咳であればぜんそく。というように、症状によって病名が変わるというわけじゃな。アレルギー症状の中には、循環器系の重い症状もみられ、最悪の場合には死に至るケースもあるというから、油断はできないんじゃ。
アレルギーが起こる仕組み
アレルギーはアレルゲンである異物が体内に侵入したときに、症状が発生するぞ。アレルゲンは、以下の3つに分けられるんじゃ。
- 吸入性アレルゲン:ダニ・カビ・動物・花粉など
- 食品性アレルゲン:牛乳・卵・落花生・そば・小麦・大豆・いくら・えび・カニなど
- 薬物性アレルゲン:医薬品・化粧品・シャンプー、リンスなどの日用品
人によって反応するアレルゲンは異なるが、これらのなんらかのアレルゲンが体内に侵入すると、排除しようという免疫システムが働き、IgE抗体が作りだされる。
IgE抗体が“肥満細胞”にくっついて「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」という化学物質を大量放出する。すると、それが神経や血管を刺激し、鼻水やくしゃみ、痒みや咳といったアレルギー症状を引き起こすんじゃ。
じゃから、アレルギー症状を緩和するには、IgE抗体を過剰に作らせないようにすれば良いんじゃ。IgE抗体は、普段バランスをとって働いているはずの、Th1細胞とTh2細胞という2つの免疫細胞のうち、Th2細胞が優勢になった時に過剰に作られてしまうことが分かっておる。
ということは・・Th1細胞の働きを強めて、この2つの免疫細胞のバランスを保つことが、アレルギーを改善するための“要”となっておるんじゃな!その重要な役割を担ってくれるのが『乳酸菌』なんじゃよ!
乳酸菌でアレルギー症状を改善!
腸内に善玉菌が豊富に存在している場合に作り出される免疫細胞があるんじゃ。それが、Tレグ細胞。Tレグ細胞は、Th2細胞の働きを弱めTh1細胞の働きを強めて、2つの免疫バランスを整えてくれる役割を果たすんじゃ。
その結果、IgE抗体の生産量が減少し、アレルギー症状が引き起こされなくなるんじゃ。近年のさまざまな研究で、実際に乳酸菌含有飲料などを一定期間摂取し続けた結果、アレルギーの症状が緩和されたという報告が多数されておるぞ。アレルギー症状にお困りの方には、ぜひ善玉菌を積極的に摂取してもらいたいんじゃ。
アレルギー症状緩和が認められている乳酸菌
アレルギー症状の改善効果が期待される乳酸菌をご紹介しよう。
L92乳酸菌
正式名称「ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株」という。カルピス社の長年の研究から選び抜かれた乳酸菌じゃ。新たなアレルギー対策として、今、多くの専門家からも注目されておる。L92乳酸菌は、Th1細胞とTh2細胞のバランスを整える働きをしてくれることが分かっておるぞ。
1才から12才のアトピー患者50名を対象に、L-92乳酸菌を摂取するグループと摂取しないグループに分けて、8週間にわたり試験を行った実験では、摂取したグループでは摂取していないグループに比べて、皮膚症状+治療スコアともに改善がみられたんじゃ。また、花粉症患者や通年性鼻炎の患者でも8週間の継続的な摂取で症状の緩和が確認されておるぞ。
フェカリス菌
正式名称は「エンテロコッカスフェカリス菌」と言い、フェカリス菌や乳酸菌EC-12と呼ばれている。スギ花粉症患者にフェカリス菌を含む乳性飲料(1本200mlあたりフェカリス菌1000億個)を毎日継続的に摂取してもらう実験を行ったところ、「鼻かみ回数」「鼻づまり」「眼のかゆみ」等の花粉症の症状の改善がみられたんじゃ。
また、通年性アレルギー性鼻炎の場合も、くしゃみ、鼻汁などで改善効果が確認されておるぞ。
KW乳酸菌
正式名称は「KW3110株」と言われる乳酸菌じゃ。キリンビール社と小岩井の共同研究によって発見されたぞ。花粉症患者96名を対象にKW乳酸菌の粉末を摂取してもらった実験では、花粉症の症状改善が確認されたんじゃ。
また、マウスによる実験においても、血中のIgE濃度が低下し、Th1細胞とTh2細胞のバランスが改善されたことが報告されておるんじゃ。
ビフィズス菌BB536
森永乳業が1971年に日本で初めて乳製品へ応用することに成功したビフィズス菌じゃ。花粉症患者44名に、スギ花粉が飛び始める約1か月前から、ビフィズス菌BB536粉末、もしくはプラセボ粉末を13週間にわたって飲んでもらったところ、ビフィズス菌BB536粉末を飲んだグループでは花粉症の自覚症状が緩和て、症状と関連する血中マーカーも改善されたんじゃ。。
L-55乳酸菌
オハヨー乳業が発見し、特許出願している乳酸菌。L-55乳酸菌を花粉症モデルマウスに投与した実験で、花粉症の症状である「鼻搔き行為」「くしゃみ」を抑えること、またIgE抗体を低下させる効果が確認されておるんじゃ。
また、アトピー性皮膚炎のモデルマウスを使った実験でも、アトピー症状が緩和されることが確認されておるぞ。
アレルギーに効果がある乳酸菌を含むサプリ3選